それまで区派遣を認めていた社内通訳が2002年から派遣を認めなくなったということが起こった。派遣範囲が狭まったのである。そこで困った依頼者は区のボランティアセンターに手話通訳を依頼し、そのボラセンを経由するというかたちで私たちの団体が通訳依頼を引き受けることになった。登通協では、この依頼を引き受けるにあたって、派遣センターの紹介もしたが、今まで区派遣で継続していた通訳依頼ということもあって、登通協で引き受けることになった。

 これを契機に区が派遣を認めなかった通訳依頼を登通協で引き受けるようになってくる。当初は、会議で、この依頼を受けるべきかどうか話し合うなどかなり慎重だった。今振り返ってみて、とても良かった点は、個人や、一部の人達に任せたりせず、団体として責任を持って手話通訳を派遣したところだった。
 
その中には、社内会議など継続的な手話通訳派遣や、大学での講義、イベントなどがあった。そういう今までとは異なったジャンルで活動する中で、通訳を派遣する企業などに対して通訳者たちの身分証明をする必要性が生じてきた。つまり、任意団体よりも、NPO法人格を取得している団体のほうが社会的な信頼があるということだ。また、企業側から通訳料を振り込みにしたいという要望もあり、そのための口座を作ることになったのだが、当時は任意団体だったので個人名義で作るしかなかった。法人化をすれば、社会的な信頼も生じるし、団体名で口座を作れるなどNPO法人格を取得したほうのメリットがデメリットよりも圧倒的に多かった。


        2、いくつもの顔        4、合同取得への疑問